小寺クリニック

よくあるご質問

強迫神経症とはどういう病気ですか?

 強迫神経症は、神経症の1つに分類されます。最近では、強迫性障害と呼ばれることもありますが、ほぼ、同じことです。

ここでは鍵を閉めたか何回も確認してしまう、という人を例にとってお話ししましょう。

 鍵を閉めたかどうか、気になって何度も確認する。こんなことは誰にでもあることです。何度か確認することは、必要なことでもあります。

 しかし、何回も確認してもまだ不安で、何度も何度も確認して出発が遅れる、となると問題です。こう言う状態のことを、強迫神経症と言います。(最近は強迫性障害とも言います)

 人間にとって、確認を繰り返すことは、過ちを減らすということで、有効です。

 つまり、鍵をかけて、全く確認しないよりは、確認した方が安全です。

 しかし、何回確認したら絶対安全と言えるのでしょうか?

 実は、人間のすることですから、絶対安全ということはありえません。

 少ないながらも、かけ忘れの危険が残ります。

 しかし、それならば、健康な人は何回か確認した後、なぜそれを止めることができるのでしょうか? 無意識的にではありますが、、それは何回か確認したら、それで万一危険が残っていても、その危険は引き受けないと仕方がない、と腹をくくっているからなのです。

 ところが、強迫神経症は、もともと心にある不安を、このように鍵の確認というところに、投影しているので、そこにある微小な危険性を受け入れることができないわけです。

 もともと心にある不安を、鍵の確認で消そうとすることには、ズレがあります。つまり、心は内面のことですが、鍵の確認は外側のことですから、問題の場所が違います。だから、いくら鍵の確認をしても、それに投影されている、心の不安は消えません。このため、長時間にわたって、鍵の確認をせざるをえないという事態が生じます。

 見方を換えて言えば、強迫神経症の人は、心の絶対的な安全を求めているのです。心の絶対的安全を、鍵の確認という具体的な外の世界のことに置き換えて手に入れようとしているわけです。しかし、鍵の確認一つ取っても、絶対安全ということはありません。つまり、強迫神経症の人は、絶対的な安全を求め、それが結局手に入らないから、さらに強迫行為を繰り返す、ということになります。

 これが、強迫神経症の起こる心理的メカニズムといえます。

 さらに、詳しく知りたい方は、院長紹介のページの論文「強迫神経症の構造」を参照してください。