大阪府吹田市の心療内科|こころと身体のクリニック「小寺クリニック」

よくあるご質問

離人症とはどんな病気ですか?

   生き生きとした実感がない。例えば、風景をみていても、なにかカーテンがかかっているような感じがする。聞こえてくる音も何か遠くで聞こえているような感じがする。あるいは、味や臭いがわからない等、いずれにせよ、ありありとした感覚がなくなっていると訴える患者さんがいます。こういう症状を離人症状といいます。

  こういう症状が起こる心理的メカニズムは、その人が今の自分を自分と認められない、という状況に追い込まれていることです。つまりこの自分は本当の自分ではない。だからこの自分では生き生きと世界を感じられない。もしこの自分で生き生きと感じられたら、その感じている自分を自分であると認めなくてはならないから。これが離人症の心理的メカニズムです。

  こういう場合患者さんに「あなたは自分のことをどう思っていますか?」と聞いてみると、大抵「今の自分は嫌いだ」という答えが返ってきます。

 この離人という症状は神経症レベルで起こることが多いのですが、人格障害レベル、うつ病、統合失調症でもおこります。最も中心になるのは神経症レベルですが(その場合は離人神経症といいます)、最近では神経症レベルのものは少し減少し、人格障害レベル、うつ病レベルのものが増加しているように思われます。